血糖値が気になる方必見!「イヌリン」の驚くべき効果とは?
イヌリンって何?
イヌリンは、もともとキク科オグルマ属の植物から抽出されて成分で、多糖類の一群。
栄養学的には、水溶性食物繊維の一つとして分類されます。
「食物繊維」は、水溶性と不溶性の2つに分かれます。
不溶性食物繊維は、水分を吸収して膨れ、腸のぜん動運動(消化管の運動で、うごめくような運動)を盛んにし、食物の残りかすなどを速やかに体外に排出する働きをします。
対して、イヌリンのような水溶性食物繊維は、人体に好ましくない物質の吸収を妨げ、便として排出される働きをします。
イヌリンをとることでの副作用はなく、安心して摂取することができます。とりすぎると胃腸の不快感や満腹感、ガスの蓄積などが報告されているので、注意が必要です。
イヌリンの摂取量目安は、1日10~20gです。100g中に含まれる量は、菊芋は18g、にんにくは13g、ごぼうは5g、玉ねぎは4gです。特に菊芋はイヌリンが多く含まれるので、摂取量には注意しましょう。
イヌリンの効果
腸内の環境を整える
最近注目のキーワードである「腸活」。
イヌリンは腸活にも大きな効果があるとして期待されています。
腸活として大切なのは、大腸の腸内細菌が生み出す「短鎖脂肪酸」と呼ばれるもの。この短鎖脂肪酸は、悪玉菌を抑える殺菌・静菌作用や、ウィルスや病原菌から体を守る働きなどがあります。
この短鎖脂肪酸を生み出す腸内細菌のエサとなるものの一つが、イヌリンなのです。
イヌリンを摂ることで、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えることにつながります。
糖尿病の予防
イヌリンは、「天然のインスリン」と呼ばれます。
イヌリンを体内に取り込むと、成分がゲル状に変化して糖をコーティングします。糖がコーティングされることによって、糖の吸収が抑制されて、糖尿病の予防につながるのです。
中性脂肪の低下
世界中の研究で、中性脂肪が過剰に作られるのを抑制する効果も分かっています。
糖の吸収が抑制されることは先ほどご紹介しましたが、吸収される糖の量そのものが少なくなることで、中背脂肪が増えにくくなるのです。また、体に不要な糖分や中性脂肪分をからめとって排出する働きもあることで、中性脂肪の低下も期待されるのです。
イヌリンは、便秘などお腹の調子が気になる方、ダイエット中の方、糖尿病を予防したい方は必見の、積極的に摂りたい成分というわけですね。
イヌリンが含まれる食材
イヌリンは、菊芋、にんにく、にら、ごぼう、玉ねぎ、アスパラガス、チコリなどの根菜類に多く含まれます。
特に、テレビなどでも注目を集めているように、「菊芋」には特に多く含まれます。
菊芋は、キク科ヒマワリ属の多年草。食用となっているのは、肥大化した根の部分です。
全国各地で栽培されていますが、生鮮食材として店頭に並ぶ量は非常に少ないのが現状です。多くの場合、健康食品や健康飲料向けに乾燥させたものや粉末状のものが多く出回っています。生鮮食品として菊芋を食べるのであれば、サラダ・炒め物・焼き物・煮物など生でも加熱しても美味しく食べられます。
菊芋(キクイモ・きくいも)の育て方・栽培
菊芋(キクイモ・きくいも)の特徴
菊芋(キクイモ)は、キク科ヒマワリ属の宿根草です。生長すると、草丈は1~3mにもなる繁殖力の強い植物です。土壌をあまり選ばない、育てやすい植物ですが、同じ場所で連作すると収穫量が落ちるようです。
菊芋(キクイモ)は、菊に似た黄色い花を咲かせます。この花の特徴である「菊に似た花を咲かせる芋」として名前の由来にもなっています。
秋に花を咲かせた後、生姜の形に似たイモ「塊茎(かいけい)」を作ります。
※塊茎(かいけい)とは、地下茎の一部が澱粉(でんぷん)などを貯蔵している部分。塊茎の代表として有名なのはジャガイモです。
菊芋(キクイモ)の繁殖力の凄さは、河川敷や農耕地で雑草化して問題となり、外来生物法で「要注意外来生物」にも指定されています。
菊芋(キクイモ・きくいも)の詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
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草丈・樹高 | 1~3m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや弱い |
耐陰性 | 弱い |
花色 | 黄色 |
開花時期 | 8~11月 |
アメリカ大陸北東部原産の菊芋(キクイモ)は、北米インディアンによって昔から食料として食べられてきました。
菊芋(キクイモ)は1600年代にヨーロッパ各地へ伝えられた後、日本に伝わりました。幕末から明治の初め頃、主に飼料用作物として広められたため、菊芋(キクイモ)の別名として「ブタイモ」と呼ばれることがあります。
食糧として菊芋(キクイモ)が注目を浴び始めたのは、第二次世界大戦以降のことです。食糧難の時代に、菊芋(キクイモ)の繁殖力の強さから、国民の飢えをしのぐ貴重な食料となりました。
現在、欧米はもとより、日本でも菊芋(キクイモ)の成分で天然のインシュリンといわれる「イヌリン」が注目されています。
菊芋(キクイモ・きくいも)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
収穫 |
菊芋(キクイモ・きくいも)の栽培環境
日当たり・置き場所
菊芋(キクイモ)は日当たりを好みます。草丈が大きく生長しますので、風の強いところで栽培すると倒伏する恐れがあります。その際は、支柱など立ててあげると良いでしょう。
温度
菊芋(キクイモ)は全国的に栽培可能な野菜ですが、菊芋(キクイモ)の収穫を充実させるためには、冷涼な地域で、寒暖の差がある地域の方が品質は良いようです。
用土
プランター栽培の菊芋(キクイモ)は、野菜用の培養土で育てましょう。
畑栽培の菊芋(キクイモ)は、堆肥や元肥を入れる2週間前位には石灰を入れ耕しましょう。その後堆肥と元肥を入れ土になじませ、石などをきれいに取り除いておきましょう。
菊芋(キクイモ・きくいも)の育て方のポイント
水やり
涼しい環境の中、地植えで育てている菊芋(キクイモ)は、水やりは天候に任せていても問題ありません。
肥料
追肥はほとんど必要ありませんが、元肥(特にカリ)は入れてあげると、菊芋(キクイモ)の生育が良いようです。
病害虫
あまり病害虫の心配は要りません。
菊芋(キクイモ・きくいも)の詳しい育て方
選び方
保存状態の良い、40~50g程の大きさの種イモ「塊茎(かいけい)」を選びましょう。
種まき
種まきではなく、主に種イモ「塊茎(かいけい)」を植え付けて育てます。
植え付け
晩霜の心配がなくなったらすぐに植え付けます。
関東では3月上旬頃、冷涼地では4月下旬から5月中旬頃までに植え付けると、菊芋(キクイモ)の収量が増えるようです。
旺盛に生育しますので、株間は1mほどの余裕をもつと良いでしょう。
植え替え・鉢替え
菊芋(キクイモ)は連作には適していません。そのため、翌年栽培する場合は、違う場所に植え替えるか、堆肥などをよく施し、土に栄養を与えてから育てましょう。
花
8~10月頃、菊に似た、直径8~10cm程の黄色い花を咲かせます。
収穫
菊芋(キクイモ)の開花後急に「塊茎(かいけい)」部分が肥大します。霜が降りるようになったら、地上部を20cm程残して刈り取り、11月下旬以降試し掘りをしながら収穫します。
また、収穫後の菊芋(キクイモ)は日持ちがしないため、必要な分だけ順次収穫しましょう。
収穫時に塊茎(かいけい)を土の中に残しておくと、翌年また勝手に生育を始めますので、収穫の際は掘り残すことのないように注意しましょう。
冬越し
塊茎(かいけい)は、土の中で冬を越すことができます。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
主に種イモ「塊茎(かいけい)」で増やします。
菊芋(キクイモ)の芽かき
ひとつの種イモ「塊茎(かいけい)」から、多数の芽が出ている場合は、2~3本程だけ芽を残し、後は取り除いた方が良く菊芋(キクイモ)が育つようです。
菊芋(キクイモ)の土寄せ・中耕
草丈を伸ばし、ぐんぐんと生長しますので、花が咲く前の6~7月頃に土寄せ・中耕をしましょう。8月以降は花が咲き、その後塊茎(かいけい)が大きく生長するので、それ以降の土寄せ・中耕はしません。
※中耕とは、作物の生育中に雨で固まった土を程良くほぐし、同時に除草、作物の根元への土寄せを行うことで、良い影響を与えることです。作物の成熟期に行うと、悪影響にもなるので、作物ごと中耕の時期には留意しましょう。
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