キャバクラ大好きな人がハマるハメられる?
キャバクラにハマる・・・キャバクラに行ったことがある男性の多くが、この「キャバクラにハマる」という状態に陥る、あるいは陥りそうになったことがあるかと思います。
1~2回くらい通ってやめたという人は余りキャバクラにハマらないままかもしれません。
しかし、会社の付き合いなどで4回、5回と回数を重ねていくと、ほとんどの人がキャバクラの虜になり、ハマってしまいます。
「ハマる」というものの度合いは色々な状態を指すでしょうが、こと「キャバクラにハマる」という事に関しては、非常に強い依存性があります。
キャバクラにいかないと生きていけないと思ってしまうほどにハマってしまうのです。
キャバクラにハマったならば、仕事や他のことをしていても、お気に入りのキャバ嬢から電話やメールがないかな・・・と淡い期待を抱いている自分がいることに気づくことでしょう。
淡い期待というよりは、「心待ちにしている」という人の方が多いかもしれません。
お金にそれほど余裕がなくても、気づかぬうちに歌舞伎町に足が向いていたり、会社の経費を立て替えた領収書を経理に回しながら「よし、これでキャバクラに○回いける」などとルンルン気分になってしまうのです。
キャバクラに未だハマったことがない人は、本当にそれほどハマってしまうものなのかと疑問に思うことでしょうが、これは事実です。
初めはキャバクラなど疑似恋愛に過ぎないと分かっているのですが、それでもいつしか虜になってしまいます。
人はなぜ、キャバクラにハマってしまうのでしょうか。
キャバクラにハマる典型
ごく普通のサラリーマンがどうやってキャバクラにハマっていくか、一つ私の知り合いの例を紹介しましょう。
Aさんは真面目に働き、貯金もして、お金のかかる趣味もしないという堅実な生き方をしていました。
あるとき、会社の先輩のお供としてキャバクラに誘われました。
Aさんはキャバクラについてほとんど知識はありませんでした。
テレビや雑誌などで見た程度の知識で、どちらかというとピンクキャバレーのようなイメージでした。
歌舞伎町のお店に行くと、お店の看板はそれほどギラギラしてはおらず、ボーイもしっかり者で礼儀正しく、風俗のイメージとはかけ離れたものを感じました。
先輩のいきつけのお店だったようで、ボーイは先輩を見つけると
もちろん、Aさんは初来店でお気に入りのキャバ嬢はいないので、フリーでキャバ嬢がつくことになりました。
ボーイがキャバ嬢を紹介し、キャバ嬢がとなりに座ります。
20代前半の若い女性でした。クラブで働く女性はお姉さまという感じの女性が多いイメージがあったため、少し違和感を抱きました。
先輩のテーブルには指名のキャバ嬢であるアイさんがつきました。
テーブルにはおしぼりが届けられ、先輩がいつも飲むブランデーのボトルも届けられました。
自然な流れで全員分の水割りが作られ、キャバ嬢の「いだたきます」を合図に乾杯。
後で気づいたことですが、キャバ嬢はブランデーではなくウーロン茶を飲んでいたようでした。
キャバクラにハマる心理を考えるにあたって、ここでポイントとなるのは、ボーイが先輩の顔を覚えていたことです。
どう呼びかけたのか、今となっては正確なことは分かりませんが、ボーイはよく来る客の顔を覚えているものです。
そして、「お客様のことはよく存じ上げています」といった体で声を掛けてきます。
そして、よく来る客とそのお気に入りのキャバ嬢のことはセットで覚えているものなので、自然と「ご指名はアイさんでよろしいですか?」という言葉も出てきます。
重要なのは、先輩の指名するであろうキャバ嬢が分かっていても、あえて確認しているところです。
ボーイも客の心理を正確に読み取ることは限界があります。
いつも同じキャバ嬢を指名していた客でも、もしかしたら前回の接客時に何かしらの不満があったかもしれず、その際には別のキャバ嬢を指名することになるでしょう。
しかし、仮にそうであったとしても、そこでボーイが「どなたをご指名されますか?」と聞いてしまえば、それは客を識別したことにはならず、客から「俺のことを覚えていないのか」と反感を買う事にもなりかねません。
そのため、あえていつものキャバ嬢の名前を挙げて声をかけたのです。
このような細かい配慮によって、ボーイの声かけは行われているのです。
また、「アイさん」と呼んでいるところもポイントです。考え方によっては、ボーイが自分の店のキャストを呼ぶのですから、「アイ」と呼び捨てにしてもいいにも思えます。
実際、あなたが会社で来客を受けたときには、自社の社員に対して、たとえそれが上司であったとしても「さん」付けをすることはないでしょう。
例えば部長に用事がある客の対応をしたとしても、「部長の高橋でしょうか?」と対応するはずです。
しかし、ボーイはキャバ嬢のことを「さん」付けで呼びました。
これはなぜかと言えば、キャバクラではキャバ嬢と客が恋愛関係にあるということが建前になっているからです。
キャバ嬢は、少なくとも店内では客のものという事になっています。
だからこそボーイは「アイ」とは呼ばずに、あえて「アイさん」と呼んでいるのです。
初めての場内指名
さて、乾杯をしたAさんたち。
その後の展開はどうなったのでしょうか。
最初にAさんについた女性はリカと言いました。
アイもリカも、ミニのスーツ姿です。
自分の会社のOLと比べると少し派手なスーツという印象ですが、「どこからどう見てもキャバ嬢」という感じではありません。
化粧も物凄く濃いというものではなく、どちらかというと渋谷の女子高生の方が濃いほど。
最初、キャバクラに対してピンクキャバレーのようなイメージを持ち、的外れな期待を抱いていたAさんですが、その期待は次第に薄れていきます。
ミニの姿を見たときには「脚がきれいだな」と思いましたが、座るとキャバ嬢は太ももにハンカチを2枚置き、1枚は水割りグラスを拭くのに使い、もう1枚は常に太ももに置きっぱなしでした。
太ももがあらわになっていることを男性は期待するものですが、実際にはハンカチを置いていることによって見えそうで見えない感じになっていました。
それが、かえって色っぽかったりします。
リカはAさんに名刺を渡して自己紹介をし、「どんな仕事をしているんですか?」と聞いてきました。
そのほかには「どこから来たんですか?」というあたりさわりのない会話でした。
10分から15分もすると、リカはほかのテーブルに呼ばれ、代わりにリョウコという別のキャバ嬢が付きました。
リョウコとは話が合いました。
趣味の話になった時、Aさんもリョウコも映画が趣味という事で、少し前の映画のこと、最近の映画のこと、お気に入りの映画のことなどを話して盛り上がりました。
学生時代に映画同好会に所属し、映画製作の経験があることなどを話すとリョウコは興味津々で、Aさんも得意気でした。
その後、Aさんには10分おきに別のキャバ嬢がつき、その日は計4人と会話をしました。
しかし、もらった名刺を見返しても、名前と顔が一致しませんでした。
2番目に就いたリョウコだけは、話が盛り上がったし、顔もタイプであったためよく覚えていました。
すると、先輩が「リョウコが気に入ったの?なら場内指名しろよ」と言ってきました。
キャバクラ初心者のAさんは「場内指名って何ですか?」といった感じだったのですが、どうやらお気に入りのキャバ嬢をその場で指名できるシステムらしいことを知りました。
そうしたいと告げると、先輩はアイに「さっきの子を場内に入れて」と頼みました。
すると、間もなくしてリョウコが「場内指名してくれてありがとう!」と言いながら戻ってきました。
リョウコと入れ替わる形でアイは席を立ち、先輩の席には別のキャバ嬢が就きました。
入れ替わったキャバ嬢のことはヘルプといい、指名のキャストが別の客の接客
(指名でついたキャバ嬢も、別の客から指名された場合には一旦席を立ってその客の接客に出向きます)
をしているときのつなぎとして相手をするキャバ嬢のことです。
リョウコはAさんの隣に座りました。
座るなりリョウコは、「さっき渡した名刺貸して」と言ってきました。
Aさんが何をするんだろうと思いながら名刺を渡すと、リョウコは名刺の裏に自分の携帯番号を書きました。
Aさんも携帯番号を聞かれたので教えました。恋愛経験が乏しい人ならば、女の子から携帯番号を聞くと「番号ゲット!」と喜ぶことでしょう。
しかし、そこはキャバクラ。
今後指名客になる可能性がある人で、ある程度の社会常識もあると判断した場合には、キャバ嬢は大抵番号を教えてくれます。
キャバ嬢も、プライベート用の携帯番号を教えるのではなく、いつも仕事で営業用に使っている携帯の番号を教えています。
キャバ嬢と客はなにを話すのか?
気になった人も多いと思うのですが、キャバ嬢と客はなにを話しているのでしょうか。
キャバ嬢がどのような話題を投げかければ、客は話に乗ってくるのでしょうか。
話術に長けたキャバ嬢や、経験豊富なベテランキャバ嬢ならば、
「どんな仕事をしているんですか?」「どこから来たんですか?」といった軒並みな質問はしないでしょう。
相手がAさんだったからよかったようなものの、そのような職務質問さながらの質問では、興ざめする客も多いからです。
もっと自然な流れの中から、客がどのような話題を求めているのかを探りだしていくものです。
もちろん、客も仕事に使えそうなビジネスの話題などを求めているわけではありません。
キャバ嬢のプライベートなことであったり、他のキャバクラ店の情報だったり、最近流行っていることの話題だったりを求めているものです。
Aさんに最初についたリカは、おそらく経験が浅いキャバ嬢だったのでしょう。
職務質問の様な会話を投げかけてしまい、Aさんの印象には残ることがありませんでした。
しかし、次に就いたリョウコは、軒並みな質問はせずにAさんの趣味が映画であることを自然と探り出し、会話を盛り上げることに成功しました。
最初どのような会話が行われたかは分かりませんが、受け身なAさんの性格を考えると、おそらくリョウコはなんらかの形でAさんの趣味が映画であることを探り出したはずです。
映画の話題となると、
「最近見た映画はなんですか?」「○○を観に行ったよ」「どこの映画館に行ったんですか?」「○○だよ」
というような会話の流れから、客の居住区をなんとなくつかむことができます。
最初についたリカのように「どこに住んでいるの?」と聞くことなく、情報収集をすることができるのです。
それだけではなく、コメディが好きか、ラブロマンスが好きか、ヒューマンドラマが好きかなどを聞くことによって、客の性格的な部分を垣間見ることもできます。
Aさんには4人のキャバ嬢が就きましたが、当然印象に残るのは話が盛り上がったリョウコでした。
結果としてリョウコは場内指名を獲得し、客の携帯番号を聞くこともできました。
これで営業をかけることもできるわけです。無難に情報収集をしながら会話を盛り上げ、よい客をつかむところにキャバ嬢のテクニックがあります。
もう一つ注目したいのは、そのお店に初めてきたAさんに4人のキャバ嬢がついたことです。
初めての客をもてなすとき、店はその人がどのような女性がタイプなのか分かりません。
しかし、楽しんで帰ってもらわなければ2回目以降の来店に繋がりません。
そこで、タイプの異なる4人に接客させることによって、客に選択肢を与えるのです。
キャバクラの料金はどのようになっている?
Aさんと先輩が入店してから1時間45分がたったころ、先輩はヘルプのキャバ嬢に「チェックしてくれる?」と言いました。
ヘルプのキャバ嬢は伝票を開いて確認し、「2時間でいいですか?」と聞くと先輩はうなずいたので、指で×印をつくってボーイに合図をしました。
ボーイがすぐに飛んでくると、ヘルプのキャバ嬢は「2時間チェックです」と言い、ボーイは伝票を持ってフロントに行きました。
まもなく、ボーイが金額の書かれた伝票を持ってきました。
先輩はクレジットカードで支払いました。
Aさんが「いくらだったんですか?」と聞くと、「一人26250円だったよ」という答えがかえってきました。
しかし、ここで不可解なことがあります。
その店の料金表では、入店した時間によって料金が異なり、Aさんたちが入った時間は1時間10500円の時間帯でした。
ならば、2時間いたのですから21000円のはずです。
しかし、支払いは26250円。
もしかしたらぼったくりでは?
と思い先輩に聞いたのですが、料金はそれで合っているといいます。
内訳はこうです。そのお店のセット料金は60分で10500円。
延長料金が30分に付き4725円。
つまり60分の延長で9450円。そしてアイの指名料が3150円、リョウコの場内指名料も3150円。
テーブルチャージが一人3150円。これらをすべて足して26250円の計算だったのです。
暗算が得意なAさんは考えました。
まてよ・・・ということは一人当たり1分で約215円、10分で約2150円、60分で約13000円!
キャバクラはお金がかかるとは聞いていたけど、キャバクラってこんなに高いのか!
キャバクラは安い?高い?
少し話題が変わりますが、一般的なサラリーマンにとって、キャバクラは高いものなのでしょうか?安いものなのでしょうか?
損保ジャパンDIY生命の2006年度のアンケートでは、世帯持ちのサラリーマンの兵権的なお小遣いは43000円となっています。
この43000円の中から昼食代やたばこ代、同僚とたまに飲むお金などを出すことを考えると、決して多くはなく、むしろ少ないとも思えます。
今回のキャバクラで(先輩のおごりではありましたが)Aさんはお小遣いの半分に当たる金額を2時間で使ってしまったのです。
ひと月のお小遣いが2時間で消えてしまうのは、普通のサラリーマンからすると大痛手でしょう。
しかし、そのような出費でさえ痛いと感じさせない魅力としくみがキャバクラにはあります。
キャバクラの料金が高いか安いかはひとまず置いておきますが、キャバクラの特徴の一つに料金が明確に定められているという事が挙げられます。
料金変更があった場合などを除けば、行った日によって金額が違うということはありません。
同じ時間帯に行き、同じお酒を飲み、同じ時間滞在し、同じ人数のキャストを指名したならば、必ず前回と同じ料金が請求されます。
悪質なクラブならばママの裁量で金額が変わることもありますが、優良店に行けばそのようなことはまずあり得ません。
このように、設定された料金にはとても透明性があります。
金額も、お店の前に表示されているのが一般的です。
よくわからない場合にも、ボーイに効くことで詳しい説明を受けることができます。
お店の前に表示されているというのもお店側の客に対する気遣いです。
なぜならば、先輩が後輩を連れてきている場合や、上司が部下を連れてきている場合には、料金を気になるもののお店の前でボーイに聞くというのはどこか格好悪いと思う人も大勢いるからです。
また、店内でもトイレの前に料金表を掲載しているお店も多いものですが、これも料金を気にした人がトイレの際にそれを見てお財布と相談できるように配慮されているのです。
ちなみに、料金をおおざっぱに分類すると、最も高い時間帯の基本料金が1万円台のお店は高級店、8000円程度ならば中級、6000円程度ならば低価格のお店と分けることができます。
また、サービス料や消費税などは込みの価格表示になっているお店が多く、客は表示されている価格を払うだけでいいようになっているものです。